一般的に、期間工はキツい仕事といわれています。「50代では期間工になれないし、なれたとしても続けられない」という話もよく聞きます。
しかし、メーカーさえきちんと選べば、50代から期間工をはじめるのは無理ではありません。
本記事では未経験、50代から期間工になる方法や、50代におすすめの期間工を5つ紹介します。
50代・未経験でも期間工になれる?
期間工になるのに、特別なスキルや経験は求められません。しかし、それは20代や30代といった若い世代の話です。40代を超えると、期間工として採用されるのは難しくなってくるでしょう。
特に、40代から50代になったときの壁は厚いです。
期間工として働く40代はそれなりに見かけますが、50代になるとその数は一気に減ります。
しかし、実は期間工の採用条件に年齢制限はなく、法律でも年齢制限を設けてはいけないことがハッキリと明記されています。
(募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保)
第九条 事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。※引用:e-GOV「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号)」より
つまり、50代も期間工の応募資格があり、企業も年齢を理由にむやみに落とすわけにはいかないのです。
それでも落ちるのは体力・健康面の問題です
50代だから期間工に落ちるのではなく、年齢による体力の低下、健康リスクが採用されない理由なのです。
詳しくは「【期間工が解説】面接に落ちる8つの理由と不採用になったときの対処法」をご覧ください。
20代30代に比べると体力面では勝てないので、比較的力仕事が少ないとされている部品メーカーなどを選ぶことで、面接に受かる可能性が高くなります。
50代で働ける期間工を探すコツ5つ
50代で期間工をはじめるのは、体力面で厳しいものがあるでしょう。
面接官も、「50代で力仕事メインだと難しいだろうな」「交替勤務に耐えられるかな」と、不安に感じます。
そこで、これからご紹介する以下5つのポイントを抑えて求人を探すことをおすすめします。
50代で働ける期間工を探すコツ
部品メーカーを中心に応募する
自動車メーカーは重い機械を運ぶことが多いため、体力に自信がある20〜30代を積極的に採用しています。
極端な話、トヨタや三菱のような「体力的にはきついが給与面で高待遇なメーカー」を50代で目指すのは、現実的ではありません。
その点、部品メーカーなら扱う機械の重量も軽く、50代でも採用される可能性が高いです。
- デンソー
- アイシン
- ジヤトコ
- シーヴイテック
このあたりのメーカーは、重量物を取り扱わない仕事と言われており、体力に自信がない50代にもおすすめです。
特にデンソーは稼げると言われているので、詳しくは「【口コミあり】デンソー期間工は稼げる!給料や正社員登用の試験内容を解説」をご覧ください。
また世界的な自動車部品メーカーのアイシンは、積極的に人材採用を行っているのでチャンスがあります。
メーカー繁忙期に合わせて応募する
最近はどの業界も深刻な人材不足と言われており、各社が欲しい人材だけを採用できている状況ではありません。
メーカーとしては20〜30代を積極採用したいと考えていても、人材不足であれば50代の採用に乗り出すことも珍しくありません。
特に繁忙期は各社ともに採用のハードルを下げます
自動車生産や世界的に需要が高まるタイミングこそ、50代でも期間工として採用される可能性があります。
下記の求人一覧より、現在積極的に採用をしているメーカーを探して応募してみましょう。
これまでの実務経験やスキルをアピールする
期間工としては未経験だったとしても、下記のアピールポイントに1つでも当てはまるものがあれば、積極的にアピールしましょう。
- 自動車以外でも工場での実務経験がある
- 夜勤や交代制の仕事経験がある
- 肉体労働経験がある
- 筋トレやスポーツを日常的に行っている
- 健康に自信がある
メーカーが50代の採用をためらうは、体力的な問題と夜勤や交代制に耐えられるかどうかが懸念されるからです。
こうしたものがクリアになるのであれば、メーカーも採用に向けて真剣に検討してくれます。
また体力面や健康面でアピールできるものがあれば、それもプラスに働きます
悩んだら採用カウンセラーに相談しよう
確実に面接を通過するなら、製造業に精通した採用カウンセラーに相談するのがおすすめです。
期間工.jpなら選考会の対策はもちろん、履歴書の添削まで無料でしてくれます。
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派遣会社を通して応募する
50代が期間工に応募するときは、直接応募ではなく、派遣会社を通して応募するのがおすすめです。
期間工の待遇は、メーカーに直接応募しても、派遣会社を通しても変わりません。しかし、派遣会社を通せば、面接対策や書類の添削といったサポートが受けられます。
また製造業に特化した採用カウンセラーが在籍しており、50代で期間工になった人の話も聞けるかもしれません。
派遣会社は人材を送り込まないとお金が発生しないため、頑張って採用に向けてサポートしてくれます。受けられるサポートは全部受けて、効率的に応募しましょう。
50代におすすめの期間工5選
50代・未経験から期間工をはじめるのは、簡単ではありません。しかし、50代の人がたくさん働いているメーカーもあります。
次のようなメーカーは、50代の人も積極的に採用しています。体力的な負担も少なく、仕事も続けやすいので、まずはこれらのメーカーに応募してみましょう。
50代におすすめの期間工5選
【稼げる】デンソー
デンソーは数ある期間工の中でも「稼げる」と評判です。理由は手当が多いことと、継続率が高いことです。
デンソーは経験年数に応じて手当が増額される上、定着率も90%と長く働ける環境が整っています。
正社員登用は20〜30代が中心なので可能性は低いですが、期間工としてのチャンスはあります。
部品メーカーなので重量物を扱う仕事も少なく、50代の人でも十分働けます。
【祝金増額】アイシン
40代・50代からの期間工には、部品メーカーの「アイシン」がおすすめです。
アイシンは細かい作業がメインで、重い物を持ったり無理な姿勢を取ったりすることがほとんどありません。
体力的な不安の大きい50代でも、無理なく続けられるでしょう
アイシンの給与
- 月収例:315,947円
- 基本時給:1,470円
- 深夜・残業の時給:1,911円(30%増し)
- 休日出勤の時給:2,132円(45%増し)
※各時間が月60時間超えの場合は50%増しとなります
アイシンではほかのメーカーの『満了金』にあたる手当として『生産協力金』と『契約更新謝礼金』を支給しています。
生産協力金は出勤率93%以上の月に対して、月あたり2万円を支給する制度です。半年ごとの契約更新月にまとめて支給されるため、最大で半年あたり12万円を受け取れることになります。
契約更新謝礼金は、契約を更新してくれた従業員へのお礼のようなお金で、生産協力金と同じく半年ごとに9万円支給されます。支給条件は「契約更新後の翌月末日に在籍していること」です。
この2つの手当を合わせると、出勤率93%を維持し続ければ、半年おきに21万円をもらえることとなります。
さらに、アイシンでは定期的に入社祝い金増額キャンペーンを行っており、最大で100万円の祝金をもらえるケースがあります。
詳しくは下記バナーより、特設サイトをご覧ください。
【50代の採用多数】ジヤトコ
なるべく早く仕事を見つけたい人には、50代の採用実績も多い「ジヤトコ」がおすすめです。
軽作業メインで肉体的な負担の少ないジヤトコでは、50代の人や女性など、体力に自信のない人もたくさん働いています。
寮費・光熱費ともに無料の寮にも入れるので、生活費も節約しやすいです。満了金は3ヵ月おきに15万が支給されるので、それを使って、ときどき同僚と呑みにいくのも楽しいでしょう。
ちなみに、ジヤトコでは皆勤の月に3万円の手当が出ます。皆勤手当を目指せば、仕事へのモチベーションも上がるでしょう。
ジヤトコの給与
支給内容 | 金額 | 割増率 |
---|---|---|
基本時給 | 1,070円 | – |
残業手当 | 1,391円 | 30%増し |
深夜手当 | 1,391円 | 30%増し |
休日出勤 | 1,498円 | 40%増し |
ジヤトコでは満期慰労金として6か月ごと30万円(最初の3か月・次の3か月のみ15万円ずつ分割で支給)が支給されます。
1年間で総額60万円が、最長期間の2年11ヵ月で総額180万円が、給与とは別に支給されることとなります。
【引越不要】日本ガイシ
石川県や愛知県に住んでいる人限定ですが、自宅から通いたい人には「日本ガイシ」もおすすめです。
日本ガイシには寮がないものの、代わりに時給や満了金など給与面での待遇はトップクラスです。
満了金は最大で総額357万円ももらえます。これは、トップクラスのメーカーとして知られるトヨタや三菱を超えます。
仕事は軽作業メインなので、体力に自信のない50代でも続けやすいでしょう。
日本ガイシの工場近くに自宅があるなら、一度応募してみるのがおすすめです。
日本ガイシの給与
金額 | 割増率 | |
---|---|---|
基本時給 | 1,530円 | – |
所定時間外労働手当 | 1,989円 | 30%増し |
深夜勤務手当 | 2,298円 | 50%増し |
日本ガイシには4つの事業所がありますが、どこを選んでも時給1,530円からスタートです。
日本ガイシの満了金は『満了報奨金』と『満了慰労金』の2種類です。『満了報奨金』とは、契約満了になった期間工に対して、満了月ごとに支払われるお金のことです。
採用募集ページの給与欄には、1年目の年収例として『480万5,760円(月収33万480円+6ヶ月満了報奨金+12ヶ月満了報奨金)』と記載されています。
月の給与から差し引きしてみると、1回あたりの支給額はほかのメーカーと比べてもトップクラスに高く、定期的にかなりの金額がまとめて支給されることとなります。
ただし、欠勤などがあった場合は規定により減額されます。
日本ガイシは常に求人が出ているわけではないので、求人サイトを確認して「載っていればラッキー」程度に考えておくと良いでしょう。
【身体の負担小】シーヴイテック
重量物を取り扱わない仕事として、自動車部品メーカーのシーヴイテックもおすすめです。
自動車部品の中でも、CVTと呼ばれる部品のベルト製造がメインなので、体力に自信がない人でも続けられます。
時給は1,470円〜で、入社一時金として30万円が受け取れます
シーヴイテックも常に求人が出ているわけではないので、定期的に求人サイトを見ることをおすすめします。
「次の仕事」について考えよう
50代が期間工をするときにまず意識したいのが、「次の仕事について考える」ことです。
40代、50代の転職は、そう簡単なものではありません。管理職や役職の経験があるならまだしも、そのような経験がなく、未経験の業界を目指すのは、相当厳しいと思ったほうがいいでしょう。
そんな状況下で、わざわざ「職歴に期間工を挟む」のはおすすめできません。正社員や、長く続けられる仕事に転職できるなら、その方がいいです。
どうしても仕事が見つからず、未経験でもそれなりに稼げる仕事をしなければならない場合は、期間工をするのもいいでしょう。
ただ、それでも「次の仕事をどうするか」は考えてください
例えば期間工の後は50代・60代向けのアルバイトをする、同じメーカーでの無期雇用にしてもらうなど、何かしらの具体案は持っておきましょう。
まとめ
- 期間工に年齢制限はないので未経験、50代でも応募できる
- 年齢制限で落ちるというより、体力や健康面で落ちる可能性がある
- 部品メーカーなど重量物を扱わない期間工なら50代でも受かる
- 繁忙期に応募するといつもより受かる可能性が高い
- 採用カウンセラーに相談したり派遣会社を通じて応募するのがおすすめ
期間工の仕事は、たいてい交替制勤務です。体力の落ちた50代の人にとって、期間工を続けるのは楽ではありません。
しかし、50代だから期間工になれない、続けられないわけでもありません。本記事で紹介したような「50代の採用が多いメーカー」や「軽作業メインのメーカー」なら、50代・未経験でも期間工になれるでしょう。
期間工は長く続ける仕事ではありません。しかし、50代に入って急に職を失った人、その後仕事が見つからない人にとっては、ひとつの選択肢になりえます。期間工なら、未経験でもそれなりの金額を稼げるからです。
「どうしても仕事が見つからない」「経済的な不安は少ないけど、老後に向けてもう少し備えをしておきたい」という50代の人は、期間工の仕事も考えてみてはいかがでしょうか。