ほとんどの期間工では、面接の後に「健康診断」があります。健康診断は入社1日目に行われることが多く、結果次第では「寮に荷物を運んだのに、家に帰らされる」ということもあります。
そうなれば、また仕事を探さなければなりません。本記事では健康診断の内容や問診の答え方、入社できなくなるとどうなるのかなどを解説します。しっかり対策をしてから、健康診断を受けましょう。
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期間工が入社前に健康診断を受ける理由
ほとんどのメーカーでは、期間工は入社前に健康診断を受けることになります。これは「入社前に健康診断を受けておいてね」というものではなく、新入社員全員で、メーカーの産業医立ち会いのもとで行われます。
健康診断のタイミングは、たいてい入社初日です。 期間工が健康診断を受けるのは、会社のためというよりは、期間工として働く本人のためです。例えば腰痛や持病などの異常があるまま働くと、それが悪化し、身体を壊すことにつながりかねません。
身体を壊してしまえば期間工の仕事ができなくなるどころか、ほかの仕事でもしばらく働けなくなるでしょう。そうなると、本人が1番困ります。
本人の健康と生活を守るために、健康診断が行われるのです。
期間工の健康診断は、実質”最終面接
期間工はたとえ面接に受かっていても、健康診断に通らないと入社できません。健康診断の結果が原因で落ちることもあります。
「健康診断なんて、どうせ適当にやるんでしょ」と甘く見ず、しっかりと準備してから臨みましょう。どんな準備をすればいいのかは、順を追って解説します。
期間工の健康診断に落ちるとどうなる？
期間工の健康診断に落ちると、たとえ面接に受かっていてもそのメーカーに入社できなくなります。健康診断は他メーカーでも行われるため、他メーカーを受けなおしても、同じことになるでしょう。
期間工の健康診断に落ちた人はどうなるのか、落ちたときの流れに沿って解説します。
1．入社できなくなる
期間工の健康診断に落ちると、入社できなくなります。面接で落ちるならまだしも、健康診断で入社できなくなるのは最悪です。健康診断は寮や（入寮するまでの仮住まいとしての）ホテルに入ってから行われるからです。
荷造りをして、引っ越しの準備をした後に家に帰らされるのは辛いでしょう。アパートやマンションなどの自宅を引き払っていた場合、家がない状態になってしまいます。自宅の賃貸契約を解除するのは、健康診断に通ってからにした方が安心かもしれません。
2．各種手当と給料は支給される
健康診断に落ちて入社できなくなっても、各種手当や給料は支給されます。健康診断の時間も「勤務時間」に含まれるため、健康診断や研修を受けているなら、その日分の給料はちゃんともらえます。
手当の種類はメーカーにより異なりますが、療養見舞金や帰るための費用はもらえるようです。ただ、そのうちの一部は控除されるので、手取りは少なくなります。
3．再入社できることもある
メーカーによっては健康診断で入社できなくなっても、その「原因」を治すことで再入社できることもあります。この場合、面接なしで健康診断から再スタートできるようです。
もちろん、メーカーによっては面接からやり直しになることもありますし、再入社できる期限もそう長くはありません。再入社を目指すなら、早めの治療をおすすめします。
期間工の健康診断の内容と落ちるケース
期間工の健康診断は、割としっかりした内容です。「少しくらい異常があっても大丈夫でしょ」と甘く見ていると、入社できなくなり、自宅に帰らされるかもしれません。 期間工の健康診断の内容と、どんな場合に入社できなくなるのかを解説します。
【期間工の健康診断の内容と落ちるケース】
- タトゥー
- 握力
- 腰痛
- 血圧
- 心電図
- BMI
- バネ指
- 色覚検査
- 精神系疾患の既往歴
タトゥー
ほとんどのメーカーでは、面接時に「タトゥーの有無」を聞かれます。面接ではタトゥーを誤魔化せるかもしれませんが、健康診断でほぼ確実にバレます。期間工の健康診断では、「肌が見える状態」になるからです。
タトゥーがあるだけで、他の結果が良くても入社できなくなるかもしれません。引っ越してから帰らされると時間も労力もかかるので、面接時に正直に答えておきましょう。
握力
握力は健康診断や面接時に測られることが多いです。基準はメーカーにより異なりますが、握力25kgを超えていれば、入社できなくなることはまずないでしょう。
腰痛
期間工は重い物を持ったり無理な姿勢を取ったりすることも多いです。「腰痛がある」もしくは「完治していない」と、入社できなくなるかもしれません。
腰痛を隠すことはできるかもしれませんが、期間工の仕事はキツいです。まず間違いなく悪化するので、自分のためにも、他の仕事を選んだ方がいいでしょう。
血圧
血圧が原因で入社できなくなることはあまりありません。ただ、「血圧があまりにも高い」なら話は別です。期間工の仕事は身体を使うため、作業中は血圧が上がります。
健康診断で血圧120を超えたあたりから、「もう一度測ろうか」といわれることが増えてきます。
心電図
健康診断では心電図も測られます。心電図に異常があったり、不整脈が見つかったりすると、再検査になることもあります。ただ、心電図が原因で入社できなくなることは少ないです。
発作がなく、日常生活を問題なく送れるレベルなら、再検査や問診だけで済むでしょう。
BMI
BMIとは、肥満度を表す数値です。BMIが原因で入社できなくなることはあまりありませんが、高すぎると話は別です。太りすぎが原因でケガをしたり、作業が遅れたりするかもしれないと思われることもあります。
バネ指
バネ指とは「指の腱鞘炎」のことです。期間工は指がきちんと動かないと、仕事に支障をきたす場面も多いです。健康診断や面接時に手を握ったり開いたり、指を動かしたりさせられることもあります。
色覚検査
期間工はランプの色を見分けて仕事をすることも多いです。色の見間違えが原因で、本人がケガをしたり大きな事故につながったりということもあります。
専用のメガネを掛けていても入社できなくなることはあるので、事前に面接官や派遣会社の担当者に相談しておいた方がいいでしょう。
精神系疾患の既往歴
問診では、うつ病や精神障害についての質問もあります。「うつ病になったことや、精神障害がある」「大きな悩みがある」などと答えると、それが原因で入社できなくなることもあります。
期間工の健康診断の対策
期間工の健康診断では、想像以上にさまざまなことを、しっかりと確認されます。結果次第では入社できなくなり、家に帰らされることもあるので、しっかり準備してから受けたいです。
健康診断をパスするためにはどうすればいいのか、3つの対策を紹介します。
【期間工の健康診断の対策】
- 1週間前から健康的な食生活を心がける
- 問診の答え方に気を付ける
- 精神系疾患の既往歴は「自ら言わない」
1週間前から健康的な食生活を心がける
健康診断の1週間前になったら、その週は健康的な食生活を心がけましょう。最低でも、前日はお酒やタバコを控え、食事も低カロリーなものを少しだけにすべきです。
血圧が気になるなら、当日の朝は食事を取らない方がいいでしょう。
問診の答え方に気を付ける
期間工の健康診断には問診があります。問診で入社できなくなることもあるので、答え方には気を付けましょう。次の「OK例」と「NG例」を参考に、問診に臨んでください。
【腰痛があるが、完治している場合】
OK例：過去に腰痛がありましたが、医師から完治といわれました。
NG例：過去に腰痛がありましたが、今は特に困っていません。
腰痛は完治していないと、期間工の仕事をしたせいで悪化するかもしれません。曖昧な言い方ではなく、しっかり「完治」と伝えましょう。
【腰痛があり、良くなってはきたが完治していない場合】
OK例：腰痛があり治ってきてはいますが、完治はしていません。
NG例：腰痛は完治しました（嘘をつく）。
正直、腰痛は隠していればわかりません。しかし、腰痛がある状態で期間工をすると、ほぼ確実に悪化します。自分のためにも、正直に答えてください。
【ぜんそくや高血圧など、内臓系の疾患がある場合】
OK例：〇〇の疾患があります（正直に伝える）。
NG例：疾患はありません（嘘をつく）。
内臓系の疾患も、腰痛と同じく隠すべきではありません。仮に隠せたとしても、無理に働いた結果、悪化することもあります。命に関わることもあるので、自分のためにも正直に伝えてください。
精神系疾患の既往歴は「自ら言わない」
基本的に、精神系の疾患は言わない方がいいでしょう。例えば過去にうつ病になったことがあり、今は治っているなら「過去にうつ病になったことがあります」とは言わないのが得策です。発達障害のような精神障害も同じです。
ただ「今現在うつ病である」「パニック障害やてんかんなどの発作のある疾患がある」などの場合は、正直に伝えてください。
うつ病が治っていない状態で無理して働くと、悪化してしまいます。発作があるのを黙っていると、いざというとき周りに適切な対処をしてもらえません。特にてんかんの場合、本人の命に関わります。
仕事に支障をきたさない状態なら黙っている、そうでないなら正直に、正しい情報を伝えることが大切です。精神系の疾患はそもそも理解が遅れています。
問題なく働ける状態でも、「それってうつるの？」「何か問題を起こしそう」などの間違ったイメージで、入社できなくなるかもしれません。
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期間工の健康診断は意外と厳しい！しっかり対策してから受けよう
期間工は特別なスキルや経験がなくても稼げる仕事であり、面接をパスするのもそう難しくありません。ただ、面接に受かっても油断は禁物です。
その後の健康診断が原因で、入社できなくなるかもしれません。そうなれば、せっかく荷造りや長距離の移動をしたのに、家に帰らされてしまいます。
健康診断の1週間前になったら、健康的な食生活を心がけましょう。前日はお酒やタバコを控え、しっかり眠ってください。
問診では、記事を参考に受け答えしましょう。問題なく働ける状態でも、何か不安がある状態でも、それを正しく伝えることが大切です。
働けるのに答え方が悪くて入社できなくなるのも、嘘をついて入社した結果、身体を壊してしまうのもよくありません。
面接前の方はこちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
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