期間工には「再雇用」という制度があり、一定の条件を満たして同じメーカーに入れば前回よりもいい条件で働けることがあります。
ただ、再雇用でも契約期間の縛りはあります。
正社員登用されない限り、期間工はずっと続けられる仕事ではありません。
そんな期間工に、何度も再雇用されるのはリスキーです。
本記事では期間工が再雇用されるメリットを踏まえたうえで、出戻りの前に考えたいこと、すべきことを伝えます。
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期間工が再雇用されるための条件
期間工が再雇用されるための条件は、メーカーにより異なります。
一例として「デンソー」では、期間工が再雇用されるには「6ヵ月+1日のクーリング期間」が必要と定めています。
期間工が同じメーカーで再雇用される3つのメリット
期間工が同じメーカーで再雇用されることには、次のようなメリットがあります。
総じて「仕事の勝手がわかっていて楽に働けるのに、周りより高待遇で働ける」のが、再雇用のメリットでしょう。
- 最初から給料が高い
- 経験者手当がもらえる
- 仕事や生活の勝手がわかる
メリット1.最初から給料が高い
期間工が同じメーカーで再雇用される1つ目のメリットは「最初から給料が高い」ことです。
前回の契約満了から一定期間内に再雇用されれば、はじめから高い給料で仕事ができます。
例えばトヨタ期間工に再雇用された場合、日給が500円高い状態でスタートできます。
500円というと少なく感じるかもしれませんが、月に150時間働けば差額は7万5,000円です。
もちろん、夜勤や休日出勤の割増手当も、日給が高い分高くなります。
メリット2.経験者手当がもらえる
期間工が同じメーカーで再雇用される2つ目のメリットは「経験者手当がもらえる」ことです。
条件を満たせば、再入社手当や経験者手当などがもらえます。
- 6~12ヵ月の満了後、再雇用:10,000円
- 18~30ヵ月の満了後、再雇用:70,000円
- 35ヵ月の満了後、再雇用:100,000円
メリット3.仕事や生活の勝手がわかる
期間工が同じメーカーで再雇用される3つ目のメリットは「仕事や生活の勝手がわかる」ことです。
期間工の仕事はそれなりにキツいものですが、それは慣れるまでの話です。
仕事に慣れ体力がついている状態では、期間工の仕事は簡単な「ルーティンワーク」になります。
再雇用される頃には体力こそ落ちているかもしれませんが、仕事のやり方は身体が覚えています。
少し働けば勘も、体力も戻ってくるでしょう。
それに、仕事がどのくらい大変なのかわかっていれば、精神的な負担も軽いです。
寮生活がどんなものかわかっているのかも、精神的な負担を軽くしてくれるでしょう。
通勤にかかる時間や生活費もおおまかにわかっているので、オフタイムの有効活用もしやすいですし、貯金の計画も立てやすいです。
「このメーカーは相部屋が多くて、自分には合わなかったんだよな」「通勤時間がものすごくかかって、全然休めないんだよな」と思うなら、再雇用ではなくほかのメーカーを受けてみるのもいいでしょう。
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期間工が再雇用してもらうには?
期間工が再雇用してもらうには、普段から真面目に働き印象を良くしておくことが大切です。
では、具体的にどんなことを意識して働けばいいのでしょうか。
再雇用してもらえない人の特徴と、再雇用の可能性を高めるためにすべきことを紹介します。
再雇用してもらえない人の特徴
再雇用してもらえない人の特徴として、次のようなものが挙げられます。
仕事に対して、あまりやる気がなかったとしても、これだけはしないようにしておきましょう。
- 契約期間の途中で辞めたり、バックレたりしている
- 無断での遅刻や早退、欠勤をしている
- 契約更新の回数が少ない
バックレや無断欠勤などをしては、ほぼ間違いなく再雇用してもらえません。
まずは当たり前のことを、当たり前にできるようにしましょう。
契約期間の途中で辞めたり、一度も更新せずに辞めるのも、再雇用を考えるなら良くありません。
特に契約期間の途中で辞めると、数十万円の満了金ももらえなくなってしまいます。
期間工は契約満了で辞めましょう。
再雇用の可能性を高めるためにすべきこと
同じメーカーで再雇用してもらいたいなら、なるべく長く真面目に働くことです。
期間工には3~6ヵ月の契約期間があり、必ず更新してもらえるわけではありませんが「契約を更新してください!」とやる気は示しておきましょう。
普段の勤務態度も大切です。
記録が会社に残っていなくても、正社員の誰かが覚えていて「その人、ちゃんと働かないよ」と言われれば、再雇用は難しいでしょう。
言われたことをちゃんとやる、元気よく挨拶と返事をする。
少なくとも、このくらいは徹底しておきましょう。
期間工の再雇用を考える前にすべきこと
期間工は同じメーカーで再雇用されると、前回よりもいい条件で働けることが多いです。
日給や時給は最初から高いですし、十数万円の特別手当がもらえることもあるでしょう。
しかし、期間工はあくまでも貯金のためにすべき仕事であり、ずっと続ける仕事で、何度もすべき仕事でもありません。
再雇用される前に、次のようなことは考えておきましょう。
- 再雇用よりも「正社員の仕事」を探そう
- 再雇用されるなら「その次の仕事」も考えておこう
- 「他メーカーで働くくらいなら再雇用もアリ」くらいに思っておこう
再雇用よりも「正社員の仕事」を狙うべき
「目先のお金」で考えるなら、期間工として再雇用されるのも悪くありません。
ただ、長い人生のことを考えると、期間工よりも正社員の仕事を探した方がいいでしょう。
たしかに、期間工は特別なスキルや経験がなくてもできて、その割には稼げる仕事です。
寮に入れば、生活費もほとんどかからないでしょう。
しかし、「特別なスキルや経験」がある場合はどうでしょうか。
最初は期間工ほど稼げなくとも、昇給や昇進をするうちにもっとたくさん稼げるようになるはずです。
寮に入って生活費を節約できることを差し引いても、稼ぎが増える分、より多くのお金が手元に残るでしょう。
自分に向いている業界や職種を見定め、そこで経験を積めば、収入は少しずつ上がっていきます。
将来のことを考えれば、少しでも若いうちに、正社員の仕事に就いた方がいいでしょう。
再雇用されるなら、「その次の仕事」を考えてから
「もう少しお金がほしい」「寮生活を送りながら資格を取ったりスキルを身に付けたりして、次の仕事に向けた準備がしたい」というなら、期間工として再雇用されるのもいいでしょう。
しかしそれは「次の仕事」についてきちんと考えてからです。
年齢が高くなるほど、転職や就職は難しくなります。
目的もなく再び期間工をしては、ただいたずらに年齢だけが高くなり、仕事はどんどん見つからなくなっていくでしょう。
限られた時間を有効に使うために、何のために再雇用されるのか、その次はどうするのかはハッキリさせてください。
他メーカーで働くくらいなら、再雇用もアリ
お金が必要だったり、資格やスキルを身につけたかったりといった理由で、再び期間工をするのはアリです。
「どうせ期間工をするなら、他メーカーもやってみたいな」と思うかもしれませんが、効率を考えれば、同じメーカーで再雇用された方がいいでしょう。
再雇用なら、普通よりも高い時給や日給からスタートできます。
再入社手当がもらえることもあり、より早く、お金を貯められるでしょう。
それに、再雇用なら仕事や生活の勝手もわかっています。
新しいことを覚えたり、慣れない寮に戸惑ったりすることがない分、次の仕事に向けた準備もしやすいでしょう。
もちろん「前に働いていたメーカーの待遇が悪かった」というなら別です。
より高待遇なメーカーがあるならそちらに、再雇用の方が稼げるなら再雇用で、と考えましょう。
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