期間工と正社員、年収が高いのはどっち？稼げるメーカー3選も紹介

期間工の年収は400万～500万円ほどといわれています。日本人の平均年収は433万円ほどで、特に20代のうちは年収300万円を下回る人も多いです。

特別な学歴やスキルがなければ、若いうちは正社員よりも、期間工の方が稼げるかもしれません。しかし、期間工を長く続けすぎると、実務経験や管理職経験が積めず、生涯年収が下がってしまいます。

本記事では期間工と正社員の年収比較や、年収の高い期間工3選を紹介します。

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期間工の年収はどのくらい？

期間工は特別なスキルや経験がなくても、高い年収で働ける仕事です。平均的な期間工の年収は420万円ほどで、高い人だと年収500万円に届くこともあります。

年収500万円に届くような期間工も、特別な経歴を持っているわけではありません。学歴も職歴も関係なく、無職やフリーターからいきなり年収400万円越えすることも、十分可能です。

期間工と正社員、年収が高いのはどっち？

国税庁による令和2年民間給与実態統計調査によると、日本の平均年収は433万円といわれています。ただ、この金額は全年齢の平均年収であり、若い人の年収はもっと低いです。 期間工の年収に、年齢はほとんど関係ありません。

「年齢が高くなると、一部メーカーを除いて採用されにくくなる」という事情はあるものの、期間工の待遇自体は年齢で変わらないからです。

期間工の年収と正社員の年収を、年代ごとに比較します。なお、年代ごとの平均年収は、国税庁の調査を基に書かれた次の記事を参考にしています。

参考：国税庁『令和2年民間給与実態統計調査』
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf

20代の場合

20代の場合、期間工と正社員では期間工の年収の方が高い傾向にあります。国税庁の調査によると、20代の平均年収は次の通りです。

平均年収はあくまでも正規雇用・非正規雇用を含めた数値ですが、正社員の給与としても割りとリアルな数値でしょう。20代のうちは期間工が平均を大きく上回っています。

30代の場合

30代になると、正社員の給与が期間工に追いついたり、追い抜いたりします。国税庁の調査によると、30代の平均年収は次の通りです。

平均年収はあくまでも正規雇用・非正規雇用を含めた数値ですが、正社員の給与としても割りとリアルな数値でしょう。30歳時点で期間工の年収は平均とほぼ変わらなくなり、34歳を境に平均の方が高くなります。

ただ、30歳を超えると、未経験では高待遇のメーカーに入りにくくなります。30歳から期間工をはじめる場合、平均年収との差額は表よりも大きくなるでしょう。

40代の場合

40代になると、期間工の給与は平均を大きく下回るようになります。国税庁の調査によると、30代の平均年収は次の通りです。

平均年収はあくまでも正規雇用・非正規雇用を含めた数値ですが、正社員の給与としても割りとリアルな数値でしょう。40代になると管理職や役職に就く人も多く、年収も高くなります。

一方、40代の期間工は体力面でかなり辛くなるでしょう。体力が必要な仕事であるため、高待遇な車体メーカーにはほぼ採用されなくなり、平均年収の低い部品メーカーしか狙えなくなってきます。

期間工は年収が高く、手元に残るお金も多いが…

若いうちは、期間工の年収は平均よりも高いです。期間工は年収が高いだけでなく、寮費・水道光熱費ともに無料の寮に入れることも多いので、手元にたくさんのお金を残せるでしょう。

特に20代のうちは、よほどの学歴やスキルがある人でなければ、正社員よりも期間工の方が圧倒的に稼げるはずです。

しかし、期間工はあくまでも「期間限定の契約社員」です。昇給はあってもアルバイトと同じくらいの上がり幅ですし、昇進もありません。正社員登用は目指せるかもしれませんが、それなら最初から正社員で就職した方が早いでしょう。

「それなら、若い時期は期間工をやって、30代辺りから正社員になればいいのでは？」と思うかもしれませんが、おすすめはできません。

20代は未経験の仕事でも転職しやすく、やりたい仕事や自分に合った仕事を探す時期です。20代のうちに実務経験を積んでおくことで、30代からはリーダー職を、40代からは役職を目指しやすくなるでしょう。

この貴重な若い時期を、目先のお金のためだけに潰すのはおすすめできません。期間工をやるとしても、1回だけ、最長でも3年までと決めた方がいいでしょう。

お金を貯めながらやりたい仕事を探し、期間工で作った貯金を元手にチャレンジするのです。お金があれば、勉強したり資格を取ったりもしやすいでしょう。

年収の高い期間工3選

期間工をするなら、なるべく年収の高いメーカーを選び、短期間でまとまった資金を作るべきです。貯めたお金を元手にして、やりたいことにチャレンジするのが、期間工の上手な活用法といえます。

年収の高い期間工を、特徴別に3つ紹介します。自分に合ったメーカーを選び、新しいことに挑戦するための軍資金を稼ぎましょう。

【トップクラスの年収】トヨタ

トヨタは期間工の中でも、トップクラスの年収を誇るメーカーです。トヨタでなら、1年目から年収500万円を目指すのも夢ではありません。トヨタの給料や満了金は次の通りです。

【トヨタ期間工の給料】

• 1年目：日給10,000～10,800円（過去に就労経験があると高めのスタートとなります）
• 18～24ヵ月満了経験者：11,000円
• 30～35ヵ月満了経験者：11,300円

【トヨタ期間工の満了金】

トヨタは期間工の中でも高待遇で、満了金は最大で総額318万円にもなります。相部屋の可能性はあるものの、環境の整った寮に入れるのも嬉しいです。もちろん、寮費・水道光熱費はかかりません。

タイミングによっては、数十万円の入社祝い金がもらえることもあります。例えば2022年3月時点では、トヨタ期間工の入社祝い金は40万円でした。これらを総合すると、トヨタの年収は次のように試算できます。

【トヨタ期間工の年収】

• 1年目：約475万円（月収29万円と仮定、入社祝い金40万円を含む）
• 2年目：約460万円（月収30.5万円と仮定）
• 3年目：約480万円（月収31.3万円と仮定）

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いすゞ

いすゞはトラックメーカーであり、高待遇で寮の環境も整っている期間工です。いすゞなら確実に個室寮に入れて、寮費・水道光熱費はかかりません。いすゞの給料や満了金は次の通りです。

【いすゞ期間工の給料】

日給1万円で、昇給はありません。

【いすゞの満了金】

2022年3月現在、いすゞ期間工は入社時に20万円の赴任手当が支給されます。これを加味すると、いすゞ期間工の年収は次のように試算できます。

【いすゞ期間工の年収】

• 1年目：約490万円（月収32万円と仮定、20万円の赴任手当を含む）
• 2年目：約470万円（月収32万円と仮定）
• 3年目：約460万円（月収32万円と仮定）

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デンソー

デンソーは主に自動車のパーツを作る「部品メーカー」で、重い物を持ったり無理な姿勢を取ったりすることが少ないです。

このような部品メーカーは、自動車本体を作る「車体メーカー」よりも年収が低い傾向にありますが、デンソーだけは車体メーカー並みに稼げます。

稼げる分、ほかの部品メーカーと比べて仕事はややキツいです。しかし、1ヵ月もすれば仕事に慣れ、心身の負担は軽くなるでしょう。

ただ、寮に入っても水道光熱費として、毎月7,000円がかかります。デンソーの給与や満了金は、次の通りです。（※沖縄県在住の方（住民票の登録地ではなく、現住所が沖縄県になっている場合）は『職業安定所（ハローワーク）の紹介状』がなければ、面接を受けられないので、注意してください）

【デンソー期間工の給与】

基本日給：9,900～11,200円
※勤務形態やデンソー期間工の経験回数・経験年数に応じて変動します。

【デンソー期間工の満了金】

慰労金

• 勤続6ヵ月：700円／日
• 勤続6～11ヵ月：1,500円／日
• 勤続11ヵ月～：2,000円／日

満了報奨金

• 6ヵ月満了時：1,000円／日
• 更新後の満了時：2,500円／日

デンソー期間工には慰労金と満了金があり、それぞれ実働日数に上記の金額をかけた分が支給されます。月21日勤務と仮定すると、半年目で約21万円、1年目で約50万円、以降は半年おきに約56万円が支給されることになります。

また、在籍6ヵ月満了ごとに5万円を支給する「6ヵ月在籍手当」や、初回給与在籍者に2万円を支給する「入社・赴任手当」など、手当の種類も多いです。これらを加味すると、デンソー期間工の年収は次のように試算できます。

【デンソー期間工の年収】

• 1年目：約440万円（月収29.4万円、2万円の入社・赴任手当を含む）
• 2年目：約490万円（月収31万円と仮定）
• 3年目：約500万円（月収32万円と仮定）

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期間工の年収は高いが、長く続けすぎると「生涯年収」が下がる可能性も

期間工は特別なスキルや経験がなくても、メーカーさえしっかり選べば、正社員並みかそれ以上に稼げる仕事です。特に20代のうちは、正社員以上の年収を目指すのも容易です。

寮費・水道光熱費のかからない寮に入れば、貯金もしやすいでしょう。 ただ、期間工はあくまでも短期間、貯金のためと割り切ってすべきともいえます。20代、30代のうちにどんな仕事をするのか見極め、経験を積んでおかないと、生涯年収は下がってしまうでしょう。

お金があれば、人生の選択肢は増えます。経験や学歴に自信がなくても、期間工で貯めたお金を使って勉強したり資格を取ったりすれば、今まで諦めていた「やりたい仕事」に就けるかもしれません。

「若いうちは年収の高い期間工でいいや」ではなく「期間工で貯金を作り、それを元手に生涯年収を高めよう」と考えましょう。

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